写真3.Henneguya salminicolaの胞子。

ブラウザの「戻る」で前頁へ

写真2.ヘネガヤ患部の拡大。

写真1.ヘネガヤの寄生を受けたカラフトマス筋肉。

病原体名 Henneguya salminicola(ヘネガヤ・サルミニコラ)
分類学 ミクソゾア門、粘液胞子虫綱、双殻目
宿主名 ギンザケ(Oncorhynchus kisutch)、マスノスケ(O. tshawytscha)、カラフトマス(O. gorbuscha)、ベニザケ(O. nerka)、サケ(O. keta)、ニジマス(O. mykiss
寄生部位 体側筋肉
肉眼所見 体側筋肉内に、大きさ数mmの白いシストが観察される(写真1、2)。ただし、凍結保存や薫製等の加工を行った場合には、シストは観察されず、寄生部位がミルク状になることもある(粟倉・木村, 1977)。
寄生虫学 シスト内には大量の胞子が充満している(写真3)。胞子は卵形で2個の極嚢を持ち、尾端突起を有する。胞子体の長さ平均10.7 μm、幅平均8.7 μm、厚さ平均6.1 μm2個の極嚢はほぼ同形、同大であるが、計測値は若干異なり、長さ平均4.2 μm×幅平均2.5 μm3.8 μm×2.2 μm。尾端突起の長さは、長い方が平均34.8 μm、短い方が28.9 μm。生活環は不明。中間宿主の介在が推測される。
病理学 宿主由来の結合組織で被包されてシストを形成する。シストが何らかの原因で崩壊すると、内部から放出された酵素によって周辺の筋肉組織が分解するとの説もある(粟倉・木村, 1977)。しかし、クドア属粘液胞子虫による、いわゆるジェリーミートとは異なると考えられる。
人体に対する影響 人間には感染しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 シストないしはミルク状の筋肉組織をつぶしてウェットマウントで胞子を確認する。標本はスメアにしてギムザ染色する。
その他の情報 本寄生虫は、Henneguya zschokkeiのシノニムであるという説もある(Lom and Dykova, 1992)が、SSU rDNAの塩基配列ではかなりの相違がある。
参考文献 粟倉輝彦・木村喬久 (1977):粘液胞子虫に起因する薫製ギンザケのmilky conditionについて. 魚病研究, 12, 179-184.

Lom, J. and I. Dykova (1992): Protozoan parasites of fishes. Elsevier, New York, 315p.

または