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(写真提供者:カール・マルクス・キアゾン)

写真2.イトヨリから取り出した虫体

写真1.イトヨリ生殖腺内に寄生するP. nemipteri

寄生虫名 Philometra nemipteri
分類学 線形動物門、双線綱、カマラヌス目
宿主名 イトヨリ(Nemipterus virgatus
病名 生殖腺線虫症
寄生部位 生殖腺
肉眼所見 生殖腺に赤紫色の虫体が多数見られる(写真1)。
寄生虫学 肉眼的に認められるのはすべて雌である。虫体は円筒状で長さは43.4524.1-63.9 mm、幅は0.25-0.50 mm(写真2)。頭端は丸く、微小な乳頭状突起を3個有する(Luo, 2001)。生活環は不明。雌虫は4月と5月に見つかるが、この時期に成熟して産仔するかどうかは確認されていない。
病理学 不明
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 解剖して生殖腺内の虫体を確認する。スズキ寄生P. lateolabracisとの識別点は、P. nemipteriが頭部に3つの乳頭状突起を持つのに対して、P. lateolabracisは内外2列の環状に配した乳頭状突起を持つことである(Luo, 2001)。
参考文献 Luo, D.-M. (2001): Notes on nematodes of fishes from Taiwan Strait I (Nematoda: Trichocephalida: Capillariidae; Spirurida: Dracunculidae). Acta Zootaxonomica Sinica, 26, 154-161.