寄生虫名 Proteocephalus plecoglossi(アユ杯頭条虫)
分類学 扁形動物門、条虫綱、杯頭条虫目
宿主名 アユ(Plecoglossus altivelis
病名 杯頭条虫
寄生部位 腸管内
肉眼所見 外観的な症状はない。剖検すると、白い糸状の虫体がみられる(写真1)。
寄生虫学 体長5 mm程度の小型の条虫で(写真2)、頭節側面に4個、頭頂部に1個の吸盤を有する(写真3)。中間宿主はケンミジンコであり、それを摂食したアユが寄生を受ける(小川、2004)。
病理学 種苗に大量寄生していると死亡の原因になるといわれる。
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 寄生虫体は、肉眼で容易に観察できる。頭節の構造を確認する。
その他の情報 1969年に琵琶湖種苗を用いて養殖したアユに大量発生して問題となった(高橋、1973)が、それ以降はほとんどみられていない。
参考文献 小川和夫(2004):大型寄生虫病。「魚介類の感染症・寄生虫病」、恒星社厚生閣、381-405.

高橋 誓(1973):アユに寄生する条虫Proteocephalus plecoglossi Yamagutiに関する研究−I. 滋賀県水産試験場研報、2463-82.
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写真2.アユから取り出した条虫。

(写真提供者:城 泰彦)

または

写真1.条虫寄生がみられるアユ

写真3.P. plecoglossiの頭節部。