寄生虫名 Tentacularia sp.(テンタクラリア)
分類学 扁形動物門、条虫綱、四吻目
宿主名 カツオ(Katsuwonus pelamis)、マアジ(Trachurus japonicus)、マサバ(Scomber japonicus
寄生部位 体側筋肉
肉眼所見 外観的な異常は見られない。体側筋肉内に乳白色で米粒状の虫体が見られる(写真1)。
寄生虫学 カツオやマアジに寄生しているのは幼虫であり、宿主組織に被包されている。虫体の大きさは5-10 mm程度で、頭部に4本の吻を持つ(写真23)。吻には、かぎ状構造が備わっており(写真4)、固着器としての役割を持つ。終宿主はサメ類。
病理学 未報告
人体に対する影響 終宿主はサメ類であるため、人間には寄生しない。ただし、万が一、飲み込んでしまった場合、虫体の突出した鉤が咽喉に引っかかる可能性があるので、注意。
診断法 頭部に4本の吻があることが四吻目の形態的特徴である。
その他の情報 春から夏にかけて、カツオの内臓や腹部の筋肉に寄生しているのがよく見られる。最近、東シナ海で漁獲されたマアジに、ごくまれに観察される。
参考文献
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写真2.マアジから取り出した虫体

写真3.Tentaculariaの頭部拡大

写真1.マアジ筋肉に見られるTentacularia

写真4.吻の拡大。