水産食品の寄生虫検索データベース 本文へジャンプ

趣旨説明

 近年、食生活が豊かになる一方で、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザの発生、さらには消費期限の偽装問題など、食品の安全、安心に対する信頼が揺らいでいます。水産物についても例外ではなく、コイヘルペスウイルスやカキのノロウイルス、中国産ウナギの薬物乱用などがしばしば話題になります。また、食品中に混入する異物についても、クレームが後を絶ちません。しかしながら、魚介類の病原体、とくに寄生虫に関しては、人間に害を及ぼす種類はほとんどないにもかかわらず、そのイメージの悪さ、そして正しい科学的情報の乏しさゆえ、消費者に過度な不安感を抱かせているというのが現状です。日本は世界に冠たる水産大国であり、食品として供される魚介類の多様性は他に比類がなく、諸外国からも多量の水産物を輸入しています。一方で、そのような状況は新たな外来の寄生虫を呼び寄せる結果になっており、皮肉なことに、日本の寄生虫研究が多様性に富んでいる理由の一つともいえます。そこで、今までにわれわれの間で蓄積された寄生虫や異物に関するデータを整理してホームページを作成し、正確で最新の情報を公開することにしました。従来、水産業界は「臭い物にふたをする」、いわば情報の隠蔽体質がありましたが、むしろそのようなネガティブ情報を正直に出すことで、消費者の信頼を回復するという時代に来ているのではないでしょうか。
 このデータベースは主に一般の消費者を対象としていますが、水産業に従事する方々や水産試験場等の魚病担当者、マスコミ関係者、さらに寄生虫を材料とする生物学研究者に少しでも役に立てれば幸いです。
 なお、解説記事の文責はすべてDPAF事務局にありますが、誤った文章、不適切な表現などがございましたら、ご連絡いただければ助かります。

DPAF事務局 代表 横山 博