寄生虫名 | Batracobdella smaragdina(ミドリビル) |
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分類学 | 環形動物門、ヒル綱、吻蛭目、Glossiphoniidae科 |
宿主名 | ウナギ(Anguilla japonica) |
寄生部位 | 体表 |
肉眼所見 | 体表に吸血痕を残す(写真1)。 |
寄生虫学 | 生時は鮮緑色をしているのが特徴的である。体はほぼ平滑で扁平、体長6-12 mmである(写真2)。前吸盤、後吸盤ともに小型で、2対の眼点、7対の胃盲嚢を持つ。通常は池底で体前端を揺らして生息している。ウナギがそれに触れると前吸盤で吸着し、吻によって吸血するが、数時間で離れる。すなわち、吸血時のみ宿主に吸着する一時寄生体である(小川ら、1985)。吸血した血液は10日から1ヶ月以内に消化され、産卵が始まる。産卵後、孵化して生長する間、親が腹部で仔虫を保護する習性がある。 |
病理学 | 吸血により生じた痕は、体表では小出血点で済むものの、鰭では大きい内出血斑を呈する。しかし、20℃では約2週間で消失するので、宿主に対する致命的な影響はない(小川ら、1985)。 |
人体に対する影響 | 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。 |
診断法 | 虫体の圧平標本を作製して形態学的な観察を行う。 |
その他の情報 | 1983年11月、愛知県一色町のハウス式養鰻池で大発生した。病気としてよりも、外観を損ねるので問題とされた。発生池ではウナギを取り上げ後、池干ししてサラシ粉で消毒することが推奨されている(小川ら、1985)。 |
参考文献 | 小川和夫・宇野信也・伊藤 進(1985):養殖ウナギのミドリビル寄生。魚病研究、20、67-68.
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(写真提供者:小川和夫)
写真1.ウナギの体表にみられるミドリビルによる吸血痕
写真2.ミドリビルの虫体