寄生虫名 Benedenia sekii(ベネデニア・セキイ)
分類学 扁形動物門、単生綱、単後吸盤目
宿主名 マダイ(Pagrus major)、ゴウシュウマダイ(Chrysophrys auratus
寄生部位 体表
肉眼所見 赤褐色の虫体が体表に付着している。患部のスレが特徴的である(写真1)。
寄生虫学 虫体は扁平しており、成虫の体長は3-6 mmである。後端の丸い固着盤と、前端にある1対の口前吸盤で宿主に付着する。体表組織を摂食すると同時にマダイ皮膚の色素を取り込んで虫体内に溜め込むため、肉眼的に赤く見える。
病理学 寄生刺激によって生じる体表のスレが、細菌による二次感染の侵入門戸になりうる。
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 虫体の圧平標本を作製して、形態学的な観察を行う。
その他の情報

ブリのハダムシ(Benedenia seriolae)と比べて、養殖場においても散発的にしか発生しないが、その理由は不明である。

参考文献 小川和夫 (2006): ベネデニア症。新魚病図鑑, 緑書房、182.
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または

(写真提供者:村田 修)

写真2.B. sekiiの虫体。

写真1.B. sekiiの寄生を受けたマダイ。患部のスレが
白く見える。