写真2.肝臓から摘出された吸虫

(写真提供者:今野美代子)

写真1.吸虫(矢印)が寄生したカワハギの肝臓.

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写真3.肝臓から摘出された吸虫の拡大

寄生虫名 Hypohepaticola callionymi
分類学 扁形動物門、吸虫綱
宿主名 カワハギ(Stephanolepis cirrhifer)、ハタタテヌメリ(Callionymus valenciennei
寄生部位 肝臓、胃
肉眼所見 肝臓の表面または内部に、大きさ数mmの赤黒または褐色の紡錘形異物が観察された(写真1, 2)。
寄生虫学 吸虫の成虫である(写真3)。模式標本のサイズは、1.66×0.71 mm。とっくり形で、前端に口吸盤、中央にそれより大きい腹吸盤を有する。雌雄同体。精巣は腹吸盤の後方左右、その下部に卵巣が位置する。生活環は不明である。
病理学 未報告
人体に対する影響 成虫であること、この仲間の吸虫は海産魚にしか寄生しないことを考慮すると、食品衛生上の問題はないと考えられる。

診断法 前端の口吸盤、中央部の腹吸盤、その他、消化器、生殖器の形態を観察する。
その他の情報 2006年11月、伊豆の川奈沖(相模湾)で釣られた天然カワハギに見つかったものであるが、相模湾真鶴沖、茅ヶ崎沖、佐島沖、東京湾大貫沖でも確認されている。

参考文献 Yamaguti, S. (1971): Synopsis of digenetic trematodes of vertebrates, Vol. I, 1074 pp.