寄生虫名 Kudoa trachuri (クドア・トラチュリ)
分類学 ミクソゾア門、粘液胞子虫綱、多殻目
宿主名 マアジ(Trachurus japonicus
病名 筋肉クドア症
寄生部位 体側筋肉
肉眼所見 1〜数 mmの白色球形シストが形成される(写真1)。宿主魚に致命的な影響は及ぼさない。
寄生虫学 シストの内部で多数の胞子が産生される(写真3)。胞子は上面観で角の丸い四辺形。径8.59.8 μm、長さ5.36.5 μm。生活環は不明。
病理学 未報告
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 シストをつぶしてウェットマウントで胞子を確認する(江草,1986)。標本はスメアにしてギムザ染色またはディフ・クイック染色する。
その他の情報 日本では、最近、東シナ海で漁獲されたマアジに散見されている。なお、本疾病を防除するのに有効な対策はない。
参考文献 江草周三(1986):多殻目粘液胞子虫とくにクドア類について.魚病研究,21, 261-274.

Matsukane, Y., H. Sato, S. Tanaka, Y. Kamata and Y. Sugita-Konishi (2011): Kudoa iwatai and two novel Kudoa spp., K. trachuri n. sp. and K. thunni n. sp. (Myxosporea: Multivalvulida), from daily consumed marine fish in western Japan. Parasitol. Res., 108, 913-926.

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写真3.Kudoa trachuriの胞子

(写真提供者:倉長亮二(1))

写真1.マアジ皮下に見られるKudoa trachuriのシスト

写真2.マアジ筋肉に見られるKudoa trachuriのシスト