寄生虫名 Microsporidium sp.(ミクロスポリジウム)
分類学 微胞子虫門、微胞子虫綱、微胞子虫目
宿主名 スケトウダラ(Theragra chalcogramma
寄生部位 体側筋肉
肉眼所見 体側筋肉内に白色で長さ数mmの細長い患部が観察される(写真1)。
寄生虫学 患部内に多数の胞子が形成される(写真2)。胞子は長楕円形で長さ約4.03.5-4.0μm、幅約2.01.8-2.3μm。担胞子胞(sporophorous vesicle)があるタイプとないタイプが観察されているが、明確でない。この点は分類学上、重要な形態学的形質なので、詳細な検討が必要である。
病理学 未報告
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 シストをつぶしてウェットマウントで胞子を確認する。標本はスメアにしてUvitex 2B染色し、蛍光顕微鏡で観察する。染色された胞子は、紫外光で青い蛍光を発する
その他の情報 アラスカで漁獲されたスケトウダラをすり身に加工する際に発見された。寄生虫由来のタンパク分解酵素がすり身のゲル形成能に悪影響を及ぼす可能性が考えられたが、はっきりしていない。
参考文献 なし

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写真2.スケトウダラ筋肉患部から得られた胞子。

(写真提供者:Mark Freeman)

写真1.スケトウダラの筋肉にみられた微胞子虫患部
(長さは約7 mm).