寄生虫名 | Microsporidium sp.(ミクロスポリジウム) |
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分類学 | 微胞子虫門、微胞子虫綱、微胞子虫目 |
宿主名 | サルエビ(Trachypenaeus curvirostris)、アカエビ(Metapenaeopsis barbata)、ヨシエビ(Metapenaeus ensis) |
寄生部位 | 筋肉 |
肉眼所見 | 筋肉は透明感を失って加熱処理後のような顕著な白濁を示す(写真1-3)。サルエビの場合、体表のツヤの消失、体色の赤変、背部の黒化が見られる。 |
寄生虫学 | 筋肉線維内に多数の胞子が形成される(写真4)。胞子は卵円形で、長さ1.8-2.0 μm、幅1.0-1.2 μm。 |
病理学 | 未報告 |
人体に対する影響 | 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。 |
診断法 | シストをつぶしてウェットマウントで胞子を確認する。標本はスメアにしてUvitex 2B染色し、蛍光顕微鏡で観察する。染色された胞子は、紫外光で青い蛍光を発する。 |
その他の情報 | 被寄生個体の刺激に対する反応行動は、非寄生個体より若干劣るもののそれ程鈍くはない。ただし、持続性に欠ける(桃山・天社, 2006)。 |
参考文献 | 桃山和夫・天社こずえ (2006): 山口県沿岸域および湖沼河川で採集された異様な外観を呈する天然魚介類の寄生虫およびその他の異常. 山口県水産研究センター研究報告第4号(別刷), 143-161. |
または
写真3.罹患アカエビの筋肉白濁。
(写真提供者:桃山和夫)
写真1.未感染サルエビ(上)と感染サルエビ(下)の外観。
写真4.サルエビの筋肉患部に見られた微胞子虫
写真2.未感染サルエビ(下)と感染サルエビ(上)の剖検。