| 寄生虫名 | Lernaeenicus sp.（イカリムシモドキ類（仮称）） |
|---|---|
| 分類学 | 節足動物門、カイアシ亜綱 |
| 宿主名 | トラギス類（Parapercis sp.） |
| 寄生部位 | 体表 |
| 肉眼所見 | 体表に寄生している虫体が肉眼で観察できる（写真1）。 |
| 寄生虫学 | 卵嚢を除いた虫体の大きさは約14.8 mmで、体色は黒い（写真2）。樹根状の頭部を4 mm程度宿主の体側筋中に埋没させており、虫体は引っ張っても容易には抜けない（桃山・天社, 2006）。 |
| 病理学 | 未報告 |
| 人体に対する影響 | 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。 |
| 診断法 | 体表上の虫体を確認する。 |
| その他の情報 | 1宿主当たりの寄生虫体数は1-6尾で、寄生強度は体側の背部よりも腹部の方が約2倍高かったという報告がある（桃山・天社, 2006）。なお、本寄生虫は桃山・天社（2006）ではPennella sp.とされていたが、ここでは長澤の指摘によりLernaeenicus属とした。 |
| 参考文献 | 桃山和夫・天社こずえ (2006): 山口県沿岸域および湖沼河川で採集された異様な外観を呈する天然魚介類の寄生虫およびその他の異常. 山口県水産研究センター研究報告,第4号, 143-161. |
（写真提供者：桃山和夫）
写真１．イカリムシモドキ類（矢印）の寄生を受けたトラギスの仲間
または
写真２．体表から取り出したLernaeenicus sp.。
樹根状の頭部が顕著。下部に１対垂れ下がっているのは、
卵嚢。