写真3.虫体の拡大。虫卵が体外にあふれ出ている
(左下)
寄生虫名 | Philometra sp.(フィロメトラ属線虫) |
---|---|
分類学 | 線形動物門、双線綱、フィロメトラ科 |
宿主名 | クエ(Epinephelus bruneus) |
寄生部位 | 筋肉(厳密には不明) |
肉眼所見 | クエの切り身に虫体が混入していた(写真1)。 |
寄生虫学 | 直径1.0 mm弱の円筒形、長さ10 cm以上の黄白色の虫体が検出された(写真2)。虫体内には虫卵が充満し、断面からあふれ出しているのが観察された(写真3)。 |
病理学 | 魚に対する病害性は低いと考えられるが、詳細は不明である。 |
人体に対する影響 | フィロメトラ科の線虫はすべて魚類寄生性なので、人に対する影響はない。 |
診断法 | 同じ科のフィロメトロイデス(Philometroides)属は、体表に突起(cuticular bosses)が存在するので、容易に識別できる。 |
その他の情報 | 同じ属の宿主魚では、キジハタにPhilometra pinnicola、マハタにPhilometra ocularisの寄生が知られているが、それぞれ鰭および眼窩に寄生することから、別種であると思われる(小川、2004)。 |
参考文献 | 小川和夫(2004):大型寄生虫病。「魚介類の感染症・寄生虫病(若林久嗣・室賀清邦編)」、恒星社厚生閣、東京、381-405.
|
または
写真2.クエから摘出した線虫
写真1.クエの切り身に見つかったPhilometra線虫