寄生虫名 Pseudocaligus fugu(シュードカリグス・フグ)
分類学 節足動物門、甲殻亜門、カイアシ亜綱、ウオジラミ目
宿主名 トラフグ(Takifugu rubripes)、クサフグ(Takifugu niphobles)、ヒガンフグ(Takifugu pardalis)、コモンフグ(Takifugu poecilonotus
病名 シュードカリグス症
寄生部位 体表
肉眼所見 体表に付着寄生する(写真1)。多数寄生すると、スレが見られる場合もある。
寄生虫学 外部寄生性の甲殻類で、頭胸部が癒合した背甲、胸部、腹部より成る。虫体のサイズは雌雄で異なり、雌は3-4 cm、雄は2-3 cm程度である(写真2)。卵から孵化した自由生活性のノープリウス幼生がコペポディドとなり宿主魚に定着した後、カリムス幼生になって前額糸で懸着する。前成虫、成虫に変態すると、頭端にあるルヌルという吸着構造物を用いて体表に固着すると同時に、体表を動き回る。成虫はいったん宿主から離れて、別の魚に再感染することもできる。寄生期の虫体は、宿主の体表組織を摂食する。
病理学 寄生による刺激と虫体による食害により、体表が損傷する。
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 成虫の形態によって同定する。カリグス属とは腹部の第4脚が退化的で、無節であることにより識別できる。
その他の情報 過酸化水素を有効成分とする薬浴剤で駆虫できる。
参考文献 小川和夫(2006):シュードカリグス症。新魚病図鑑、緑書房、p. 230.

(写真提供者:小川和夫)

写真1.トラフグの体表に寄生しているシュードカリグス

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写真2.P. fuguの雌虫体。一対の卵嚢がみられる。