写真3.体内に充満している虫卵

寄生虫名 Didymozoidae科吸虫(ディディモゾーン類
分類学 扁形動物門、吸虫綱、ディディモゾーン科
宿主名 カツオ(Katsuwonus pelamis
寄生部位 体側筋肉
肉眼所見 体側筋肉内に黄色で大きさ約1 cmの不正形の塊が見られる(写真1)。黄色塊は、ひも状の虫体が折りたたまれたものである。
寄生虫学 虫体は成虫である。非常に長い円筒形の体を持ち、直径は約0.5 mm(写真2)。虫体内には長円形の虫卵が充満しており、その大きさは長径約20 mm(写真3)。
病理学 未報告
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 体側筋肉内の虫体および虫卵を確認する。
その他の情報 類似した吸虫が、マダイ(中島ら, 1974)とコショウダイ(桃山・天社, 2006)から報告されている。
参考文献 中島健次・杉山瑛之・江草周三 (1974): マダイの筋肉内に虫竃をつくる吸虫Gonapodasmius okushimai Ishii, 1935. 魚病研究, 8, 175-176.

桃山和夫・天社こずえ (2006): 山口県沿岸域および湖沼河川で採集された異様な外観を呈する天然魚介類の寄生虫およびその他の異常. 山口県水産研究センター研究報告第4号(別刷), 143-161.
ブラウザの「戻る」で前頁へ

または

写真2.ひも状の虫体

写真1.カツオの筋肉に見られたディディモゾーン