貝類の防疫を考える
―東日本大震災からの復興に向けて―

主催: 日本水産学会水産増殖懇話会
共催: 東京大学海洋アライアンス(日本財団助成事業)
日時: 平成25年2月9日(土)13:00~18:00
会場: 東京大学農学部 弥生講堂 一条ホール
地下鉄南北線「東大前」駅より徒歩1分、千代田線「根津」駅より徒歩8分。
入場無料。300名限定先着順。当日参加も可能ですが、できるだけ事前登録をお願いします。
事前登録: 代表者名、所属、参加人数を明記して、以下にご連絡ください。
FAX:03-5841-5283
E-mail:5001785346#mail.ecc.u-tokyo.ac.jp(#を@に)
告知ポスター(PDF

企画趣旨

多くの水産動物の感染症は、主として養殖用種苗の国際的流通に伴い、国間ならびに大陸間で移動し、養殖業に様々な被害を及ぼしてきた。最近では野生生物への被害も目立つようになっている。水産動物、特に貝類では、養殖場の周りに野生集団が生息している。一旦侵入した病原体は野生集団のなかでも蔓延するため、封じ込めや蔓延防止が非常に困難である。また、薬剤による治療やワクチンによる予防も困難である。そのような中、近年、国内に侵入した場合マガキやホタテガイ産業に大きな被害が危惧される感染症の存在が明らかになってきた。これらの感染症の海外からの侵入防止体制、および万が一侵入した際の国内における蔓延防止体制の整備が急務となっている。

さらに、マガキ、ホタテガイは、東日本大震災で甚大な被害をうけた東北太平洋沿岸の主要養殖対象種となっている。海外からの貝類疾病の侵入は、震災被害から立ち上がりつつある東北沿岸の水産業に新たに壊滅的打撃を与える可能性をも含んでいる。震災からの復興という観点からも、貝類の疾病の侵入・蔓延の防止は重要課題である。

本講演会では、これまでに国内に侵入した貝類等の疾病および侵入が危惧されている海外病に関する知見、ならびに現在の防疫の取り組みとその課題を整理し、今後の貝類防疫の在り方を考えたい。

プログラム

開会の挨拶 13:00~13:05
1.貝類感染症の歴史と特徴
良永 知義(東大院農) 13:05~13:35
2.ホヤの被嚢軟化症
熊谷 明(宮城県水研セ・内水面水試) 13:35~14:05
3.アワビ類のキセノハリオチス症
大迫 典久(水総研セ・増養殖研) 14:05~14:35
休憩 14:35~14:50
4.マガキのカキヘルペスウイルス1型変異株による感染症
湯浅 啓(水総研セ・増養殖研) 14:50~15:20
5.ホタテガイのパーキンサス症
伊藤 直樹(東北大院農) 15:20~15:50
6.貝類疾病の防疫のための取り組みとその課題
木島 利通(農林水産省消費安全局水産安全室) 15:50~16:20
7.カキ養殖業者の感染症に関する認識と情報流通
高岸奈々絵(東大院農) 16:20~16:50
休憩 16:50~17:05
総合討論 17:05~18:00

問い合わせ先

  • 〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1
  • 東京大学大学院農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻 魚病学研究室
  • TEL: 03-5841-5284,Email: 5001785346#mail.ecc.u-tokyo.ac.jp(#を@に)